安眠に効果のある音楽

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安眠

安眠と安定した生活には、分かちがたい関係性が存在します。私たちは毎日一定のテンポで睡眠と覚醒を繰り返し、規則正しい生活をすることで免疫力を維持し病気や体調不良にかかることを防いでいるのです。

ぐっすりと眠り、朝になるとすっきりと目覚められる状態のことを安眠といいますが、出来る事なら毎日このように質の良い眠りを得て健康的な日常を送りたいものです。

しかし、現在では様々なストレスから慢性的に不眠状態にあり、日中も眠気が取れなかったり、疲れているのに寝つきが悪く深夜に目覚めてしまうなど、睡眠に関する悩みを抱えている方を多く見かけます。

脳をリラックスさせる方法

人の脳には覚醒を維持するノルアドレナリン、セロトニン、アセチルコリンなどの神経伝達物質が存在しています。神経伝達物質とは神経細胞であるシナプスから分泌される微細な物質の事で、それぞれの受容体に受け取られることで特定の神経の興奮や抑制を司っています。

ノルアドレナリンやアセチルコリンは覚醒を司る神経を興奮させるものなので、睡眠の必要な深夜時間帯には分泌が抑えられるようになっています。しかし神経の働きは非常に繊細なもので、外界の刺激があまりに強烈過ぎるとすぐに分泌のバランスを崩してしまいます。

人の神経は交感神経と副交感神経の2種類に分けられていて、これは自律神経と言われており、意思の力を離れて自律的に働いているものです。自律神経の動きを自力で調整することは出来ません。交感神経は興奮を司る神経で運動やゲームをするときに活発になり、副交感神経はリラックスに司り体の筋肉を弛緩させる働きがあります。神経伝達物質が適切に働いている時はこれらの興奮と鎮静のバランスが保たれていますが、分泌量が多すぎたり少なすぎたりすると自律神経の働きが乱されてしまいます。特に、夜寝ようとしても寝られないのは興奮を促す交感神経の働きが優位になって、体がまだ活動状態を維持しようとするからなのです。

安眠が妨げられるのはこのように本来なら鎮静するはずの神経が興奮状態にあり、脳が覚醒したままにあることが原因と考えらえています。

安眠が妨げられた状態が長く続くと風邪を引きやすくなる、体がむくみやすくなるという研究報告がありますが、そのほかにも心筋梗塞や脳梗塞など深刻化している生活習慣病の原因になるということも示唆されています。

このような重篤な症状を引き起こさないためにも、毎日の安眠を確保しておかなくてはなりません。

ぐっすり寝るための条件は、寝ようとする時間にリラックスを促す副交感神経の働きを優位にすることです。副交感神経は体が緊張をとき筋肉が緩んでゆったりとした状態を導きます。逆に言うと筋肉を弛緩させて緊張を取り除こうとすると、副交感神経の働きを刺激することが出来るのです。

そこでリラックス効果のあるものは安眠に効果的だと言えるでしょう。リラックスのためには様々な道具や方法が考えられています。照明を工夫したり、香りを取り入れたり、寝具を自分の体質に合ったものに変えるなど、安眠のための商品も多数市販されています。

安眠するための方法

その中でも取り組みやすいものが安眠音楽を聞くことです。安眠のための音楽CDは数多く市販されていますが、それらの共通点は聞くと脳波がα波やθ波の状態になる、とうたっている事です。脳波は人の脳が放っている生体電位差の総称で、状況によって様々な呼び方をされます。

中でもα波やθ波はリラックスした状態の時に現れるとされていて、副交感神経の働きと深く関連付いていることが分かっています。つまり安眠音楽を聴いて脳波をα波に導くと、副交感神経が優位になり体がリラックスして行くという訳なのです。

音楽を聞くことで必ず眠れるという意見に懐疑的な声もありますが、α波を導く音楽の存在はある程度証明されています。

厳密には音楽とは言いませんが、先ず自然の音を聞くのがよいことが分かっています。α波を出すにはテンポが単調かつ一定で、低刺激で穏やかに長時間続く音楽が理想です。

小川のせせらぎや小鳥のさえずりなどは柔らかい音質でしかも一定のリズムで続きます。単調な刺激を与えられると、脳はいわば「飽きる」状態になりそれが神経のとげとげを緩和させてだんだんと眠気を起こして行くのです。興味のない話や意味の理解できない公演に参加して眠ってしまうことはよく聴かれますが、安眠を招くというのはこうした状況に非常に近い物なのです。

そこで安眠音楽の中でも、リズムがゆったりとして緩急のないものが特に効果的だと言えます。

音楽家で言うとエリック・サティの楽曲はα波を導きやすいものの代表格です。サティの音楽の特徴はまさにゆったりとして単調な旋律が繰り返されることです。脳への急激な刺激が少なく、訊いているうちに気持ちがぼんやりして行きます。

楽器ならばインドの伝統音楽であるシタールが有名です。シタールの音色は独特の波長を持っていて、曲目もあまり組織的ではなく自然の音や光や風を表現したような穏やかなものが中心的です。まるで退いては戻る波の音を聞いているようです。波の音自体にも脳を緊張からとく効果があると言われているので、信頼度の高い楽器だということが分かります。

同様にハワイのウクレレやインドネシアのガムラン音楽の楽器であるジェゴグという竹製の木琴のような楽器にもα波を導く作用が確認されています。またこれらの楽器は自分で演奏することでもストレス解消効果が期待できるとされています。ガムラン音楽は難しいですがウクレレならば市販品を廉価で購入できます。ボディも小さく場所を取らないので邪魔になりませんし、比較的簡単にコードを覚えることが出来ます。

ストレス解消のためにはストレスの原因になっていることを忘れることも大切です。音楽に集中することで嫌な出来事を吹き払うことが出来たらいいですね。

音楽をきくときの注意すべてき点

この様に安眠に対して高い効果を持っている音楽は数ありますが、注意しておくべきなのは音も刺激である、と言うことです。音楽を聞くことによって脳は刺激を感じとり、興奮状態になります。

いくらα波を導く効果があるとはいえ、聴覚神経が刺激を受け取っている状態では脳はいつまでも活発に働き続けています。特にあまり大きな音で音楽を掛けていたり、強い光など他の阻害要因のある環境で安眠CDを聞いていても、眠りは訪れません。安眠音楽は睡眠をもたらすというよりは、眠りやすい状態を作り出すという意味を持っているものだと考えるべきです。

安眠音楽は眠りに対して全く効果がないわけではありません。しかしあくまで補足的療法であり、不眠の悩み事を根本から直してくれるものではないのです。眠れない、寝つきが悪い状態から抜け出したいならば、不眠を招いている生活習慣や食生活の乱れ、仕事や人間関係から起きるストレス、慢性的な心配事や不安感などを解消しなくてはなりません。

時には仕事から離れたりみたり引っ越しをして状況を変えることも重要です。強いストレッサ―に晒された状態では眠れないだけでなく心にも体にも悪い影響ばかりが起こりますから。

そうした取り組みがなかなか出来ない場合の対策として、簡単に購入できる安眠CDを利用しましょう。聞く時は小さな音にして、同時にストレッチや腹式呼吸など体を休める運動を取り入れると、更に神経が穏やかになって安眠へ入りやすくなっていきます。安眠は複合的な手段で手に入るもので、音楽はその中の1つという位置づけなのです。

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