孫への贈与に高額の税金がかかる?気をつけないといけない教育資金

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教育資金贈与

贈与とは人と人同士の物品や金銭の贈り合いを意味する言葉ですが、法律的には主に送ること基本に考えられます。特定の人物から金銭などを譲り受けることは相続に近い概念です。相続の場合は贈る側の人間の死亡を契機にし、贈られる側はもらう意思がなくても金品を受け取る権利が生じます。マイナス資産など受け取りたくないものの場合には、相続放棄の手続きをしなくてはなりません。

これに対して贈与とは、贈る側からの「贈る」という意思の確認と、受け取る側の「もらう」という意思の確認が出来てから初めて契約が成立します。一方が贈らない、あるいはもらわないという意思を示している場合には贈与は成り立ちませんので注意が必要です。この性質から、死亡がきっかけで成立する相続に対し、贈る側受け取る側双方が生存していることが条件の贈与は特に「生前贈与」と呼ばれることもあります。

最近では高齢の方が自分の元気なうちにお孫さんに資産を残しておきたいと考えるケースが増えており、生前贈与に対する関心が溜まっています。生前贈与を行いたい場合にはどのような手順を踏む必要があるのでしょうか。

「贈る」と「もらう」それぞれの意思確認から

先ず、贈与する時のポイントとして先に述べた通りお孫さんに受け取る意思があるのかを確認できるかどうかが問題になります。

初孫が生まれた記念にお子さんの名義の口座を作って資産を与えたとします。しかし乳児では資産を受け取るということが理解できませんのでこれは贈与とはみなされません。口座を作った方の資産のうちに含まれます。これを名義貸しと言います。

お孫さんへの生前贈与が認められるには、贈られた本人が「資産を受け取った」ということを理解している事、それに伴って発生した贈与税を払っている事、証書にて贈与の契約が記されている事、口座の通帳と印鑑を送られた本人が所持している事などが必要になります。

贈与に適したタイミング

そこで生前贈与を行うタイミングとしては、お金が必要になってくる高校入試や大学入試の時期、早くても中学入学のお祝いなどが適しているでしょう。

事実孫への贈与として金銭を用意する場合には、学費としてつかうことを目的とする場合が多いようです。そのため教育資金贈与という制度が作られました。教育資金贈与とは30歳以下のお孫さんに1500万円以下の資産を一括して贈るものです。必ず一括で贈ることが必要です。通常贈与には年間110万円以上になると税金がかけられますが、教育資金として与えられる場合には110万円を超えても非課税です。この点が教育資金贈与の特徴です。また無くなる3年前までに行われた贈与は、送った側が世を去った場合に相続財産の持ち戻しが行われて相続税の対象になってしまいますが、教育資金贈与ならばその必要もありません。そこで孫に金品を贈る場合は教育資金の名目で行うことがお得なのです。

具体的には進学のための受授業料や入学金の他に、塾や習い事のための費用も教育費と見なされます。また留学する際には飛行機代も対象になります。ただし現地での家賃やホームステイの代金は含まれませんので注意しましょう。

教育資金贈与は高額なので、信託銀行などに預けておくことが一般的です。親が故意に他の用途で使う不安が少なく合理的な贈与の方法です。

加えて生きている間に自分自身の資産を減らす意味も持っているので、本人死亡後に家族が負担する相続税を減額するというメリットがあるのです。そのため孫への贈与と伴に死後の相続税負担を減らす意図で教育資金贈与を検討している方もあるようです。

ほんとうは面倒くさい手続き

いろいろと長所の多い孫への教育資金贈与ですが、実は利用すると細かく手続きがかかり、面倒だからという理由でまだ普及しているとは言えないのが実情です。

なぜ教育資金贈与は煩雑になっているのでしょうか。それは、教育費として使用した分の領収書をその都度資産を預けている金融機関に提出しなくてはならないからです。

教育資金贈与を行う場合には、資産を預ける銀行や信託会社と「教育資金管理契約」を結びます。毎月の習い事などに資金を充てていると、月に1度は銀行、信託会社などを訪れなくてはならなくなり、かなり時間を取られてしまいます。

教育資金贈与のデメリット

また与えられた資金は必ず30歳までに使ってしまわないといけないと規定されています。仮に1500万円を一括で与え、本人の意思で進学などを行わず教育資金が余ってしまった場合、その残余分には贈与税がかけられます。たとえば1500万円がそのまま手つかずだったら支払う税金は366万円です。

更に気をつけておかなくてはならないことが、教育資金贈与はあくまで教育資金として使わなくてはならないと言うことです。資産を与えられた本人が自分んの趣味や遊びのため、あるいは起業などにお金を使い切ってしまったら、30歳になった時点でやはり366万円の贈与税がかかります。この場合はかなりの負担となりますので、本人の自制心の有無が問われます。

そこで本人に進学や将来の展望がはっきりしているかどうかを確認しておくことが重要になります。中学生くらいではまだどんな学校に進みたいか、どんな仕事に就きたいのかはっきりしないかもしれません。

幼いうちに急いで資金を与えようとしてしまって、本人が勉強のためにお金を使わないのなら将来孫が高額の税金を払うことになるので、これは有難迷惑というものでしょう。

デメリットを防ぐには

このようなデメリットを防ぐには、本人が好きなことにお金を使えるよう、年歴贈与と言って毎年非課税分の110万円ずつ贈るという方法で孫のお金を残す方もいます。ただし年歴贈与の場合は必ず「使用している状態にある」ことが必要です。受け取った分の将来の貯蓄に回すことは出来ません。

そのため受け取ったお金は生命保険の支払にあてたり、こどもNISAなどの運用に使う事がおすすめです。これならば孫が若年の間にお金を管理するのはその親の仕事になりますから、金銭感覚が狂ったり浪費癖が付いてしまうことを防げます。

孫への贈与はこのほかに住宅取得資金が1500万円まで非課税になる制度もありますが、やはり祖父母の身としては将来の学費として残してやりたいと思うケースが多いでしょう。お金がないために夢を諦めなくてはならないのは見ている方には辛いことです。応援してやりたいというのが心情ですね。

生前贈与には様々な形がありますが、年齢を考慮しなくては契約が成立しない、本人の意思を確認しないと与えた資産が無駄になってしまう、あるいは税金がかけられてしまう、金融機関との契約も結ばなくてはならないなどのデメリットも多くあります。

相続税対策として生前贈与を考えているご家庭はこのような点を家族でよく話し合っておくことが必要でしょう。子どもの将来の夢を応援したくても、こども本人がお金を必要としない場合もあります。

非課税分が最も高額になる教育資金贈与を行う場合には、大学をどの方向に進むのかについて本人を交えて一度意見交換をすることがいいでしょう。16歳くらいになればもう個人の意思というものも芽生え始めていますし、したがって自分のなりたい職業へのビジョンも見えてきます。医学部に進みたいのならばその費用は莫大ですから。

税金の負担を回避すると言うこと以上に、祖父母から大切な孫に贈るプレゼントの意味を持つのが生前贈与です。是非意義のある使い方をしてもらいたいものです。決して安易に与えられるものではないのです。

こうした大切なシーンでのお金の使い方を間違えないためにも、普段から子、孫家庭とのコミュニケーションを密にしておきましょう。どんなことにお金が必要とされているのかを祖父母が知っておくことが重要になります。

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