5月下旬、梅雨の晴れ間があったので、それに合わせてヨモギで緑色を染めることにしました。
ヨモギは庭や畑に沢山生えるので、ふんだんに使えます。
以前は、植物の染めでは緑色は染まらないと言われていました。
緑色を出すにはまず黄色を染め、その上に藍などを重ねて染めていました。
近年になってアルカリで煎出することで、緑色が染まることが発見されました。
緑色の染めに使える植物は色々あるようです。
ヨモギの場合4月が適期ですが、ヒメムカシヨモギは5~6月と比較的長いそうです。
今回採取したものは葉の幅が太いので、おそらくヨモギだと思われました。
少し時期が遅いかもしれませんが、後学のために染めてみることにしました。
緑色を染めるには、普段より多い量の植物が必要になります(通常は糸と同量くらい)。
「草木染技法全書①糸染・浸し染の基本」(山崎青樹著 美術出版社)によれば、一度に煎出する煎液10Lに対し、若葉4kgとあります。
10Lで染められる糸量は、浴比30倍とすると300gほどなので、13倍位必要だということになります。
今回刈ったヨモギは、コンテナに約一杯分です。ひと抱え分以上を用意しました。
今回は煎出する時のタンクに入る量が限られるので、重さではなく嵩を基準にしました。以前重さを計った時を参考にすると、大体1.5kg位だと思います。

枯れた葉を取り除いたら押し切りで細断し、水洗いします。

細断したものを煎出します。21Lのタンクに一杯になりました。

1回目の煎出はふつうの水で行います。
この煎出液は黄色が染まるようなのですが、今回は使いません。
もったいないので、浴槽に入れてヨモギ風呂に。
だいぶ嵩が減りました。

2煎目からはアルカリで煮出します。pH9位を目標に、最初は水5Lに5gの炭酸カリウムを入れました。
しかし量が足りなかったようで、pHは8くらい。炭酸カリウムをあと5g足し、pH9になりました。
沸騰してから20分熱煎します。これを4煎目まで繰り返しました。
それぞれの煎出液を比べてみました。上の黄色いものは1煎目、下のものは左から2、3、4煎目です。
2~4煎目はあまり変わらず、濃い液が出ました。

回を重ねればもっと出そうですが、染める糸の量が決まっているので、これで終わりにしました。
全部の煎液を合わせ、今度は糸を傷めないよう、中性にするため氷酢酸で中和します。
以前同じヨモギ染めをした時の記録に、250ccまで入れたとあったので、それを参考にしました。
安全な量と考え、半分以下の100ccを入れたところ・・・!!
なんとpH4まで下がってしまいました。。。。。
以前使用したものは、氷酢酸の容器から小分けしてあったものなので、どうもpHが変化してしまっていたようです。
その後ふたたび炭酸カリウムで修正を試みて、最終的になんとか中性のpH7まで持っていくことが出来ました。10~15gを投入すること6回、合計80gの炭酸カリウムが必要でした。
糸の染めに入ります。精練、豆汁下地をしたカセを浸します。
染液を60℃位に熱し、時々カセを繰ります。

80℃前後まで温度を上げ、20分染めます。
その後、自然放冷して色素が糸に入るようにします。
媒染は酢酸銅(糸量の3%)です。時々繰りながら、20分置きます。

水洗してから、また染めます。

少し色が濃くなりました。濡れていると色は濃く見えるので、乾かすと本当はもっと浅い色です。
染めと媒染を3回繰り返して、渋めの緑色が染まりました。

4月に染めたら、同じヨモギの量でももっと濃く染まったかもしれません。
同じ植物でも、その時々で異なった色に染まるのが面白いです。


